吉原 健二
一般社団法人日本医療経営実践協会代表理事
新型コロナウイルス感染症が収束しない中ではありますが、「第11回全国医療経営士実践研究大会・WEB大会」の開催に至ることができましたことに、心より感謝申し上げます。本大会は、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から前回同様、完全WEB形式で開催いたします。オンラインで全国各地からご参加いただく皆さまに、厚く御礼申し上げます。
開催にあたりましては、厚生労働省をはじめ、多くの団体からご後援をいただくとともに、企業からのご協賛もいただきました。この場をお借りして、改めて御礼申し上げます。
一般社団法人日本医療経営実践協会は、医療機関をマネジメントする上で必要な医療および経営に関する知識と、課題解決能力、実践的経営能力を備えた人材「医療経営士」の育成・養成を目的に創立されました。創立から2年後の2012年11月に「第1回全国医療経営士実践研究大会・東京大会」を開催し、今回が11回目の開催となります。
2010年9月に実施した第1回「医療経営士3級」資格認定試験で、初めての合格者390人が誕生し、2022年9月現在、医療経営士3級1万391人、医療経営士2級1,668人、医療経営士1級104人となり、全等級を合わせた医療経営士の会員数は1万2,163人にのぼります。
さて、誕生から12年を経て医療経営士は、新たなステージに入り始めます。地域や社会において経営を支える存在になると同時に、医療機関においては医療経営士の職域を明確化し、それぞれの専門性の向上をはかることが重要であると考えます。
例えば、医療分野の場合、内科や外科、小児科など、専門ごとに診療科が分かれていますが、経営にはそうした区分はありません。しかし、医療経営士の多くは、医事、用度、広報、地域連携など、さまざまな分野で活躍しています。それならばその職域を明確化することが、各専門性に長けた人材の育成につながるのではないかという考えです。経営の職域が明確になることで、各医療機関の強み・弱みが見えてきて、自分たちの仕事が経営にどのように結び付いているのかを理解しやすくなり、経営の健全化にもつながることでしょう。
新型コロナウイルス感染症発生から2年以上が経過しましたが、いまだ完全に収束したとは言えない状況が続いています。しかし、コロナ後の新しい時代が到来するのはすぐそこです。その時、これまでの経験で培った実力や専門性を存分に発揮し、地域医療に貢献できるように医療経営士は活動を続けてほしいと願います。
以上に述べたような現状と問題意識を踏まえ、本大会のテーマは「病院経営は新たなステージへ!――医療経営士の職域確立からはじまる人材革命」と致しました。30日間にわたりWEB配信される本大会が、有意義で実り多いものとなり、その成果がコロナ収束後の医療経営士の活動指針となることを願うばかりです。
最後になりましたが、各プログラムにご登壇いただく先生、医療経営士の皆さまには、本大会の趣旨にご賛同いただき、快くお引き受けくださいましたことに厚く御礼申し上げます。また、このようなたいへんな時期にもかかわらず、大会運営委員長として開催にご尽力いただきました本会参与の吉長成恭先生に感謝申し上げます。
本大会の開催が、医療界の発展に大きく寄与できますことを祈念いたしまして、開会のご挨拶とさせていただきます。
令和4年9月