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大会運営委員長 あいさつ

次世代に誇れる医療と社会の礎を、
今ここから

三角 隆彦
済生会横浜市東部病院 院長/慶應義塾大学医学部客員教授/横浜市医師会理事/神奈川県病院協会常任理事/横浜市病院協会常任理事/全国済生会病院長会会長/全国公私病院連盟副会長/日本病院会常任理事/社会福祉法人恩賜財団済生会理事 など

このたび、全国医療経営士実践研究大会を神奈川県にて開催できる運びとなりましたことを、心より嬉しく、また、身の引き締まる思いです。
 本大会のテーマは、「医療経営士の原点から考える未来――強固な経営基盤を確立させる戦略的マネジメント」といたしました。
 少子高齢化が進む中で、社会保障制度の持続可能性、医療資源の最適配置、人材の確保と育成、そして医療機関としての価値の再構築など、私たち医療経営に携わる者に求められる課題や責任は年々重くなっています。刻々と変化するVUCAの時代において、経営に対する視座もまた、より戦略的に、より実践的に深化し続けています。
 私たちは今、社会の大きな転換点に立っています。そして同時に、次世代へどのような社会や医療を受け渡していけるのか。その責任を担う立場にもあるのです。 こうした複雑で多層的な課題に対峙する今こそ、制度や構造に頼るだけでなく、自らの「原点」に立ち返り、地域や組織を支える強固な経営基盤とは何かを問い直す好機ではないでしょうか。
 今回の開催地・神奈川県は、幕末の開港以来、異文化が流入し、日本におけるさまざまな「はじまり」が生まれた地です。鉄道、新聞、パン、西洋医学、そして病院制度──いずれもこの地から全国へと広がっていきました。多様性を受け入れ、融合し、新たな価値を生み出してきた神奈川の風土は、まさに今、医療経営に求められる視点と響き合うものがあります。
 医療経営士の皆さまと共に、私たちの原点を見つめ直しながら、実践知と戦略的思考を持ち寄り、次代の医療をより良いかたちでつないでいく。そのための対話の場として本大会があります。共に語り、考え、そして築く。この貴重な時間を、ここ神奈川でご一緒できることを心より楽しみにしております。 どうぞ二日間、実りある時間をお過ごしください。